強引な次期社長に独り占めされてます!
芳賀さんは、私と主任を交互に指差し、それからあんぐりと口を開けていく。

……何を想像しているのか、私にもわかりやすいかもしれない。

静かに眺めていた主任が微かに苦笑した。

「たぶん、芳賀の推測は間違っていないぞ?」

え。ここでカミングアウト?

「え、えぇー。いつから? 付き合っているとか、そんなそぶりなかったじゃ……」

そう言いかけて、芳賀さんは困ったように主任の顔色を窺う。

「それ、しばらくバレない方がいいです。幸村さんが松浦ちゃんをターゲットにしてますから」

「ああ。まぁ、それはわかっている。ところで芳賀。お前は今日、合コンじゃないのか?」

「いいですよ、幹事じゃないし。それにそういった種類の飲み会じゃないですから。そもそも合コンなら、初心者な松浦ちゃんを誘いませ……」

芳賀さんはまた言いかけて、何かを思い出したのか、急に難しい顔をした。

「その事で、松浦ちゃんを相談ブースに呼び出したんですか?」

「まさか。そんなに公私混合はしないぞ」

そんなことを心外だとでもいう感じで言うから、私は主任を生ぬるい目で見つめる。しっかり“なんで断らないか”を詰めてきた癖に。

でも、私は幸村さんの“ターゲット”ってなんだろう。
あの人にビシバシ言われるのは、私だけじゃないんだけど。
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