強引な次期社長に独り占めされてます!
私も気になるかもしれない。

「……どうしてお前がワクワクしてんだよ」

主任のつめたーい視線が私に向いて、野間さんと芳賀さんが目を丸くした。

「え。今、松浦さんはワクワクしていたの?」

「今、普通に松浦ちゃんは無表情でしたけど」

「無表情でもないだろ。よく見てみると、少し身を乗り出したし……」

言いかけて、主任は急に真面目な顔をした。

「とにかく、そんなことはどうでもいいから、飯食うぞ、飯」

メニューを涼しい顔で眺め始めた主任にガッカリしたら、何故か睨まれた。

整った顔の人が睨み利かせると怖いんですけど。

とにかく、それぞれ食べるものも注文して、いい感じでほろ酔いになった頃にお開きになった。

「これ以上お邪魔しちゃいけないし」

「お邪魔虫は退散しまーす」

どこかニヤリ顔の野間さんと芳賀さんを見送って、ちょっと疲れた表情になった主任を見上げる。

「ご馳走さまでした」

「いや。お前の分を出すのは当然なんだが、どうして給料日前にあいつらの分も出さないといけないのかな……」

「それは上司だから?」

「まぁ、男だから、だろうけど」

ふぅ……と、息を吐いて、主任は私を見下ろした。

「腫れも大分引いたな」

視線の先は私の鼻だ。触るとちょっと痛いし、違和感はあるけれど、鼻血は止まったから大丈夫だと思う。
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