恋は死なない。
「じゃ、痛かったね。つらいなら、もうやめようか?」
優しい和寿は、佳音の頬をなでながらそう言ってくれたが、佳音は今度は首を横に振った。
「あなたとつながれて、うれしいのに……」
佳音がそう言うのを聞いて、和寿はその表情から憂いを消し、また微笑んだ。けれども、すぐにその微笑みも消え、真剣な目で佳音を見つめ直すと、その想いを表すようにまた口づけた。
「好きだよ……」
佳音が耳元でその囁きを聞いた後、和寿は再び動き始めた。いつもの優しい和寿とは違う、止められない想いと衝動がもたらす激しさ。痛みだけではない繰り返される甘い感覚に、佳音は圧倒されて自分が分からなくなる。
「和寿さん……!」
その感覚が膨らんではじけ飛ぶ瞬間、佳音は思わず助けを求めるように、その名を呼んでいた。寄せては返す波が尽きるまで何度も何度も、佳音は愛しい人の名前をつぶやいた。