恋は死なない。
幸世は恥ずかしそうに笑って、それから、ここに来た目的を果たすために佳音と和寿の前に立った。
「だから、二人とも私に対して負い目なんて感じなくていいのよ。……だから、こうやって花束持って、二人のことを祝福しに来たってワケ」
そんな言葉とともに大きな花束を渡されて、佳音は胸がいっぱいになる。
「……ありがとうございます」
花束を抱きしめながら、佳音は唇が震えて、そう応えるのが精一杯だった。
幸世は、目的を果たせたからだろうか、すっきりとした顔をしている。
「それじゃ、私は帰るわね。長居はしないわ」
「……え?もう?お茶も出してないのに」
和寿も幸世に対するわだかまりがなくなったからだろうか、すっきりした表情で幸世を引き留めた。
「お茶なんて、いらないわ。私はここでは邪魔者だもの。正直、居心地悪いのよ」
「そんな、邪魔者だなんて」
とっさに佳音も、幸世の言ったことを否定して引き留めたが、幸世はそれを笑顔でかわして玄関に向かった。
どんな形であれ、和寿が一度は添い遂げようと思った人……。その幸世とは、もう二度と会うことはないかもしれない……。
靴を履く幸世に向かって、和寿が背後から投げかける。