『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
大急ぎで部屋から飛び出した。
足のしびれはマックスを超えて、膝がカクンカクンなりながらのダッシュ。
廊下の角を曲がった先に見えてきたトイレの個室に駆け込んで、バクバクいう心音を宥めた。
「ああああ〜!!」
魂の抜けそうな叫び声を上げる。
あれほど気をつけるように…とメグから散々言われてたのに、なんという醜態を晒してしまったんだろう。
(もうダメだ……このお見合い失敗するっ!)
初対面の人に抱きつくとかあり得ない。
しかも、女性の方からとか絶対にダメだし…。
(でもでも、あの人も少しだけ返してくれたよ…?)
気のせいだったのかもしれないけど、確かに一瞬、抱き留められた気がした。
熱い胸板とお腹の膨らみが感じられて、ふわっと胸があったかくなったもん。
「……って、また思い出してるしっ!」
どうしようもない、あたし。どうして直ぐこんな爆走しちゃうの。
職場で啖呵切った時もそうだったけど、感極まるとまるでダメ。
自分が抑えられない。
このままお座敷に戻って、何事も無かったように相手と顔を合わせるなんて無理だし。
絶対に呆れられる。
きっと断られる。
折角のチャンスなのに、ホント、バカだーーー!!
足のしびれはマックスを超えて、膝がカクンカクンなりながらのダッシュ。
廊下の角を曲がった先に見えてきたトイレの個室に駆け込んで、バクバクいう心音を宥めた。
「ああああ〜!!」
魂の抜けそうな叫び声を上げる。
あれほど気をつけるように…とメグから散々言われてたのに、なんという醜態を晒してしまったんだろう。
(もうダメだ……このお見合い失敗するっ!)
初対面の人に抱きつくとかあり得ない。
しかも、女性の方からとか絶対にダメだし…。
(でもでも、あの人も少しだけ返してくれたよ…?)
気のせいだったのかもしれないけど、確かに一瞬、抱き留められた気がした。
熱い胸板とお腹の膨らみが感じられて、ふわっと胸があったかくなったもん。
「……って、また思い出してるしっ!」
どうしようもない、あたし。どうして直ぐこんな爆走しちゃうの。
職場で啖呵切った時もそうだったけど、感極まるとまるでダメ。
自分が抑えられない。
このままお座敷に戻って、何事も無かったように相手と顔を合わせるなんて無理だし。
絶対に呆れられる。
きっと断られる。
折角のチャンスなのに、ホント、バカだーーー!!