『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。
「……それで?」


昨夜の怒りは静まったのか、それともあたしの話を聞いて怒る気にもならないのか、メグはいやに冷静な声で聞き返した。


「だからね、ゴールドカードで食事しなさい的な感じだったの。作るとか頭に無いみたいで、食べ物は全部カード決済みたいな感じで。…これってどう思う?やっぱり結婚詐欺なのかな?」


カード払いしたら、請求は全部あたしに来るとかないよねぇ…と相談してみた。
冷静に考えられなくなって、とうとうメグに助けを求めた。


「不安があるならカードは使わないこと!現金で支払えばいい!間違っても感情先走りし過ぎて、多額の借金作らないようにっ!」


愛理は妄想炸裂すると、予測不可能な行動に出るから気をつけて…と言われた。

いくらあたしでも借金は嫌だ…と話すと、「だったらそのカードは相手に返すのね」とまで付け加えられた。


「慣れないもの持つと人格変わるよ⁉︎ 愛理は愛理らしく、たまに行動が変なくらいで丁度いいから」


やっといつもの調子で喋ってくれて、少しだけホッとする。
この間からずっとメグは怪訝そうで、これでもあたしはショックを受けてたんだ。


「それにしても久城さんて何者⁉︎ 高級マンションにゴールドカード……まるでセレブじゃん!」

「セ…セレブ ⁉︎ 」


あり得ない!
先ずそんなのあり得ないっ!

このあたしがお見合いした相手がセレブリティーだなんて…。


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