〔B L〕朽ちた無花果
「…アンタ、本当に男か?」
「失礼な!
僕は男です!!
…ていうか、アンタ?」
「あ…なた、ですよ。」
「ハァ…あの、次の患者さんが待ってるんですよ。
すみません、患者さんじゃないならここにはこないでいただけませんか?」
はぁ?
コイツ俺のファンだからコンサート来たんじゃねぇのかよ。
「俺のファンなんですよね?
昨日助けていただいたお礼、まだしてないと思って。」
「もしかして、その仮面を外すためにここへ?」
…オイオイ、アンタも疑ってんのか。
ってさっきボロ出たの俺だけど。
「いえ、本心ですよ。」
「ここで外面をするなら、貴方は患者さんです。
…とはいえ、ここは予約制でして。
すみません、また後日にしていただけませんか?」
「分かりました。
予約制、知りませんでしたので。」
「そうでしたか…。
本当にすみません。」
すぐ人を信じるんだな、コイツ。