〔B L〕朽ちた無花果
………………
はっ
息止まってた…!
「…ハハッ、びっくりしたって顔してる。」
いやいや、びっくりもなにも、豹変しすぎでしょ…!
さっきまで優しい声で淡々と話してたのに、急に声が低くなるし…!
「これが俺の素。
久々に出したわー。」
「メンバーは、知ってるんですか?」
「知るわけないだろ。
俺が望んであのキャラ作ってるわけだし。」
望んで?
どうして。
「アイドルグループってのは、バランスが大事なんだよ。
天然キャラ、クールキャラ、俺様キャラ。
3人グルならこの辺が定番か?
まぁいいや。
だから俺がクールキャラならぬ、優男演じてるわけ。」
だから常にニコニコしてるのか…。
「ずーっと笑ってんのも結構疲れるもんなんだよなー。
だからアンタんとこ来たってのもあんのかも。
なーんつって。
まぁそんなとこだからさ、アンタが俺を看てくれよ。」
升也さんの素顔は、誰も見ることを許されない。