〔B L〕朽ちた無花果

だからこそ、僕が看る。

常に誰にも見せないように警戒していることで疲れた心を、僕が治してあげるんだ。

それで、ありがとうって言われるんだ。

「ありがとうございます、話してくれて。
僕でよければ、心の痛みのはけ口にしてください。

話はいつでも聞きますから。」

「…ありがとな、センセ。」

先生。
升也さんは、初めて僕を先生と呼んだ。

やっぱり、誰かに認められるのは嬉しい。
升也さんは少なくとも素顔を見せるだけ信用してくれてるって思ってもいいのかな。

…嬉しい。
いや、嬉しいんだけど!

なんかこう、佐那斗君のときと違う…むずむずしたうれしさ?

とにかく、何かが違う。
なんだろ、これ…

「…っ升也さんの素顔、レアですね!」

僕はなんとなく、その気持ちを追求しなかった。

「フッ、レアってなんだよ。
大体、晴さんの事知りたいってのは結構ガチだし。」

「…っ////////」

うわぁ、なんだこれなんだこれなんだこれ!?////

顔が、勝手に…!
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