この度、友情結婚いたしました。
楽しかった思い出も、嫌な思い出も全部覚えている。

それと琢磨の仕草やくせも。

ハニかむってことは〝嬉しい〟って思っていることも――。



「覚えているに決まっているじゃない。……弁護士になりたいなんて言っていたの、私の周りでは琢磨だけだったし」


「……そっか」


お互い無言になってしまうと、すぐに居心地が悪くなってしまう。


そもそも突然再会してすぐに、ふたりっきりにする真希さんが悪い。


そりゃただの同級生だったら、積もる話もあったかもしれない。
だけど私達はただの同級生ではなかった。


元恋人で、おまけに最後は最悪な形で別れちゃったわけだし。


きっと琢磨だって私なんかと会いたくなかったはず。
しかもこんな形で。


さっきはここで働かせてほしいって言ってしまったけれど、琢磨が働いているとなると話は別だ。


お互いいいことなんてないだろうし、幸いなことにまだ契約も交わしていない。
< 100 / 379 >

この作品をシェア

pagetop