この度、友情結婚いたしました。
「琢磨と付き合えて嬉しくて、でもふたりっきりの時間はすごく緊張しちゃって、無意識のうちに春樹の話ばかりしていたの。……そりゃ不安になっちゃうよね!琢磨からしてみれば」


あの時は気まずくなりたくなくて必死だった。
だって私と琢磨の共通の話題と言ったら、どうしても春樹の話になっちゃうから。


「それにもう過去のことだから。春樹も聞いていたんでしょ?さっきの話。私も琢磨も、戻りたいなんて思っていないから」


あまりに春樹が苦しそうに顔を歪めるから、必死になってしまった。
苦しそうな顔、して欲しくない一心で。


私の気持ちは春樹に届いたのだろうか?


唇を噛みしめ、下を向いてしまった。
それでも私の腕は掴んだまま離してくれそうにない。


「春、樹……?」

なにも話さない彼の名前をそっと呼ぶと、下を向いたままポツリと言った。


「じゃあもうひとつの質問。……なんでまどかは昨日、泣いたの?」

ゆっくりと顔を上げた春樹の瞳は私の目を捉えて離さない。

「それ、は……」

焦りと緊張でたじろいてしまう。
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