この度、友情結婚いたしました。
すると春樹が耳を疑うような打開策を提案してきた。


「じゃあさ、今からキスするから」

「はい?」


一気に表情は崩れてしまい、軽蔑にも似た声が出てしまう。

「いや、冗談じゃねぇから。……嫌なら避ければいい」

「なに言って……っ!」


すぐに文句を言ってやろうと思ったけれど、言葉が続かなかった。

再び春樹の大きな手が私の頬を優しく包み、男の色気を含んだ瞳が向けられてきたから。


春樹は本気だ――。


咄嗟に理解できてしまい、身動きがとれなくなってしまう。


キスするからってなに?嫌なら避ければいいってなんなの?
こんなことして、なにになるって言うの?

どうして泣いてしまったのか分からない。春樹の気持ちだって信じられない。

だったらここは全力で避けるところ。……なのに、惹きつけられるように視線が逸らせなくて、自分でも驚くほどドキドキしちゃっている。


キスなんかしちゃったら絶対ダメ。
頭ではそう分かっているのに、なぜか心では拒めない、拒みたくない自分がいる。

もし……春樹とキスをしたら、昨夜私が泣いてしまった理由が分かるのだろうか。
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