この度、友情結婚いたしました。
ゆっくりと近づく距離に、ドキドキが増していく。

春樹が少しだけ顔を横に傾けた瞬間、もう拒むことなんてできない、そう思った。


「まどか……」


囁くように呼ばれた名前に、より一層胸が締め付けられる。


春樹のこと、好きか嫌いかって聞かれたら「好き」って答えると思う。
でもそれはずっと友達としての好きだと思っていたけど……私も違ったのかな?

本当はずっと昔から春樹のこと、好きだった……?


分からない答えに頭を悩ませているくせに、縮まる距離に合わせるようにゆっくりと瞼を閉じた。

真っ暗な世界の中で唇に感じる感触に、さらにギュッと瞼を閉じた。


触れるだけのキスはすぐに離れていき、恐る恐る目を合えれば春樹の熱を帯びた顔が飛び込んでくる。

「……ンッ!」


再び重ねられた唇に、思わず声が漏れてしまう。

その声に触発されたように、春樹は何度も何度も角度を変えて、キスを落としていく。

久し振りのキスに、されるがまま翻弄されていく。


「春、樹……苦しっ」

いつまでたっても離れてくれない唇に息苦しさを覚え、彼の胸を叩きながら訴えるも、一向にキスをやめてくれない。

「無理」

一言そう言うと、深い口づけに変わっていく。
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