この度、友情結婚いたしました。
「まどかー、行くぞ」

「待って、いま行く!」


朝食を済ませ、出掛ける準備が終わる頃には九時近くになってしまっていた。

貴重品などを入れたバッグを手に部屋を出て玄関へ向かうと、なぜか私を見た春樹は顔を顰め、がっくり項垂れた。


「え、なんなの?そのガッカリした反応は。イラッとするんですけど」

「だってありえないだろ?デートだって言っているのに、その恰好は」

目を伏せ額に手を当てる様に、ますますイラッとしてしまう。


「別に普通でしょ?これのどこがいけないのよ!」

自分を指さすも、春樹は大きな溜息を漏らした。

「普通ここは女らしく、ワンピースとか着てくるもんじゃねぇの?それなのにパンツって……。まぁ、いいや。行くぞ」


むっか~!なんですか、その諦めきった目は!

春樹の期待通りのコーディネートするつもりはサラサラないけど、なぜか苛々してしまう。

促され先に外に出ると、春樹が鍵を閉めてくれた。


「ほら、行くぞ」

そう言いながら差し出された手。

「え、なんですかこの手は」
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