この度、友情結婚いたしました。
「え……じゃあ一緒に映画行ってくれるのか?」

恐る恐る聞いてきた琢磨に、即答した。

「うん!行こう、映画!」


力強く答えると、一瞬面食らったように息を呑んだけど、そんな琢磨の顔はみるみるうちに崩壊していった。

「やった!」


そして少年のようにこれでもかってくらい、目尻に皺を作って喜ぶ。


やだなもう。そんなに喜ばれちゃったらこっちまで嬉しくなっちゃうじゃない。
つられるように口元を緩ませちゃうと、ますます琢磨は嬉しそうに微笑んだ。


「じゃあ土曜日約束な。……そうだな、時間は十時で駅前の公園に待ち合わせでどう?」

「うん、分かったよ。楽しみにしてる」

「俺も」


今思い出した。初デートの時もこうだったなって。

あの時も琢磨が映画のチケットを取ってくれて、それで誘われたんだ。さっきみたいに目を泳がせながら。


あぁ、だめだな。ますます気持ちが加速していく。昔を思い出せば思い出すほど、琢磨に惹かれている気がしてならない。


「あっやべ、時間になる!悪いけど行くから、気を付けて戻れよ」

「ごめんね、気を付けてね」


引き止めてしまったから時間に余裕がなくなってしまったようで、腕時計で時間を確認しながら慌ただしくあっという間に行ってしまった。


「……これでよかったんだよ、ね?」
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