この度、友情結婚いたしました。
だからそういう態度がますます私の怒りに触れているって分からないかな?

どーせあれでしょ?琢磨が気に入らないからでしょ?……琢磨の話していた通り、私を好きだって騒ぎ出したのは、琢磨にとられるかもしれないって思ったからなんでしょ?


そんなの全然本当の〝好き〟じゃない。春樹はやっぱり私のことを好きなんかじゃないんだよ。
それなのに私ってば……!


いよいよ怒りのボルテージは最高潮に達していく。


「言っておくけど私、浮気とか不倫とか隠れてコソコソする恋愛なんて嫌いだから!……琢磨のこと本気で好きになっちゃったら、潔く離婚届にサインして下さいね?ダメ夫の春樹さん」


「なっ……!あぁ、分かったよ、その時は何枚でもサインしてやらぁ!こっちだってあの琢磨と浮気しているふしだらな妻なんて、お断りだっつーの!」


「ふしだらって……それをあんたが言う!?万年発情期男が!」


「あぁ、いくらでも言えるね!ふしだらまどか!」


ダメだ。もうこいつと話しているだけで頭が痛くなる。顔を見ているだけで、怒りが次から次へと無限に沸き起こってきてしまう。


「あっそうですか!じゃあふしだらな私はさっさと出ていきますね!それとも、もう帰って来ない方がいいですか!?」


「そうだな、その方が助かる」


そうですか、そうですか!それならばお望み通りさっさと出ていってやる!


「どうもお邪魔しました!」


「今度来るときは、菓子折りでも持ってきやがれ!」


「はぁ?なにそれ……あっ!ちょっと!?」
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