ENDLESS







俺、



君のママが、



好きだったから……







そうして、俺は、一年生の教室が集まる階の廊下を歩いている。



この中のどこかに、藤崎先生がいるような気がして、





嬉しさ半分、怖さ半分、

勢い半分、躊躇い半分、





そして、ちょうど、階段のところに差しかかった時、





君を、見つけた。





「もも!!」





そう呼ばれた君は、少し長めに揃えた前髪で、



だから、不明瞭な感覚で、踏み外すのだろう。





「痛ったぁ……」





そこには、白い階段を転げ落ちる、君。



咄嗟に駆け寄る、君の友達。



そして、





「大丈夫か?」





そう言って、君に近づく、俺。





「大丈夫じゃないよ……」





ああ、目の前に、藤崎先生がいるような気がして、





「とりあえず、保健室、行く? 手当てしようか?」





それなのに、残念、





「行くに決まってるでしょ!!」





藤崎先生は、





そんな、ふてぶてしい態度など、とらない。





「そっか」





そうして、





わずかな落胆を覚える、俺は、



血が繋がっているのだとしても、君が、藤崎先生ではないと、理解できる、俺は、





あっさりと動揺を放棄して、





君の手を取った。





○●○●○
< 3 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop