わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 後からお母さんに聞いてみよう。

 拓馬の両親も彼の親だと納得できるほど、揃って美男美女だったのを覚えている。

 お父さんは穏やかな人で、お母さんは大雑把な人だというイメージだ。

 そのときノック音が響く。

 わたしは何も考えずに、ドアのところに行き、扉を開けた。

 そこにいたのは黒髪で長身の男性だった。

彼はわたしと目が合うと、はにかんだように微笑む。彼の手にはオレンジジュースの注がれたグラスが二つ握られている。

「二人で飲んだらって」

「二人って」

 また激しい勘違いをしているんだろうな。あの母親は。

もうあきらめの境地に達しているので、何も思わないが、ため息だけはこぼれてくる。

「俺のも持ってきてしまったけど、下で飲むから、美月は自分の分だけ取れば?」

 わたしの今の心境が顔に出ていたのか、彼はそういうと、ひとつだけ差し出した。

 今までの彼だと、有無を言わさず部屋に入ってきたが、さすがに高校生にもなるとそういう分別はつくようになるのかもしれない。

 なんとなく変わったのかな……?
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