フキゲン課長の溺愛事情
(ずっと運転してくれてたし、休んでもらってもいいよね)

 璃子は彼の左隣の空いているマッサージチェアに腰を下ろした。フットマッサージだけにセットすると、すぐに稼働音がして、足の裏からふくらはぎへと空気の力で揉み上げられていく。

(うひゃぁ、気持ちいい!)

 背もたれに背を預けてくつろいでいると、ソファで新聞を読んでいた男性のところに、さっきの母娘が近づいてきた。

「パパ!」

 女の子が男性に飛びついた。

「しっかり温(ぬく)もったか?」
「うん! パパは?」
「パパもだ」

 男性は立ち上がって、女性ににっこりと微笑みかけた。

「足湯茶屋のジェラートを買って帰ろうか」
「ええ」

 男性が女性を気遣うように腰に手を回した。ワンピースに包まれた女性のお腹がふっくらしていることに、璃子はそのとき初めて気づいた。
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