フキゲン課長の溺愛事情
(いいなぁ、結婚して子どもができてもあんなふうにお互いを想い合って、ラブラブな空気を醸し出してるなんて……)
ステキな夫婦の姿に、璃子は羨望のため息をついた。そうして右側をチラリと見る。
(会社では見せない笑顔をときどき見せてくれるようになって、課長のことがわかってきたように感じてたけど……本当はまだぜんぜんわかってないのかも……)
美咲という女性は、きっと彼の笑顔を――不機嫌じゃない顔を――たくさん見たんだろう。そう思うとどうしようもなく胸が苦しくなった。
(顔もわからない女性のことがこんなにも気になるなんて)
璃子が眉を寄せてギュッと目を閉じたとき、達樹の低い声が聞こえてきた。
「ここで〝耳フー〟すると周囲から誤解を招きそうだな」
「うわぁぁっ」
璃子はびっくりして目を開けた。達樹が呆れたように目を細めて璃子を見る。
「〝耳フー〟してないのに、その驚き様はなんだ」
「だ、だって!」
璃子が驚いてドキドキしている心臓をなだめようと胸に手をあてたとき、達樹が立ち上がって伸びをした。カジュアルなホワイトシャツを肘のところまで折り返していて、そこから筋肉質な腕が覗く。
ステキな夫婦の姿に、璃子は羨望のため息をついた。そうして右側をチラリと見る。
(会社では見せない笑顔をときどき見せてくれるようになって、課長のことがわかってきたように感じてたけど……本当はまだぜんぜんわかってないのかも……)
美咲という女性は、きっと彼の笑顔を――不機嫌じゃない顔を――たくさん見たんだろう。そう思うとどうしようもなく胸が苦しくなった。
(顔もわからない女性のことがこんなにも気になるなんて)
璃子が眉を寄せてギュッと目を閉じたとき、達樹の低い声が聞こえてきた。
「ここで〝耳フー〟すると周囲から誤解を招きそうだな」
「うわぁぁっ」
璃子はびっくりして目を開けた。達樹が呆れたように目を細めて璃子を見る。
「〝耳フー〟してないのに、その驚き様はなんだ」
「だ、だって!」
璃子が驚いてドキドキしている心臓をなだめようと胸に手をあてたとき、達樹が立ち上がって伸びをした。カジュアルなホワイトシャツを肘のところまで折り返していて、そこから筋肉質な腕が覗く。