フキゲン課長の溺愛事情
(課長はジェラートのコーンが好きって言っただけだったんだ!)

 勘違いしたことが恥ずかしい。告白してしまったなんて思われないよう、璃子はそそくさと立ち上がった。

「あ、いいです、今度は私が買います!」
「サンキュ」

 茶屋へと向かう璃子の背中に、達樹のいつもより少し明るい声がうしろから追いかけてきた。



 そうしてもうひとつジェラートを仲良く半分こして食べた後、達樹の案内で奥美郷町を散策することになった。

「きっとゴールデンウィークには田植えをするんだろうな」

 璃子の右側を歩きながら、達樹が山の棚田を見て言った。

「青々とした棚田はきっとすごくきれいなんでしょうね」
「ああ。古民家@ホームの代表が『奥美郷の原風景』と呼んでいる」
「奥美郷の原風景……」

 璃子はうっとりとつぶやいた。
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