フキゲン課長の溺愛事情
「〝耳フー〟とか〝首チュー〟とかでね」
「それ、甘やかすんでもかわいがるんでもないから! いじめてるだけだし!」
「璃子をいじめるのは楽しいんだ」
「達樹、絶対性格ゆがんでる」

 璃子は頬を膨らませ、達樹の手を離してひとりでずんずん歩き出した。達樹が歩調を早めて追いつき、うしろから璃子をふわりと抱く。

「そう言いつつ、ホントはそうされるの、好きなんだろ?」
「そんなわけっ」

 言いかけた璃子は、首筋にキスを落とされ、あえなくその場で腰砕けになったのであった。 
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