君を想う

暫くして店員さんが訊きに来て決めたメニューを頼んだ。

こういう場所だと休みの日だし会社の人が来ていたりするかも。また気になって辺りを見回してしまった。


「藍川さん、今日は変ですね?」

「えっ?」


「何かを気にしているみたいに見えますが何を気にしているんですか?」

つい気になって何度も辺りなんて見回したから田辺さんは気付いてしまったようだ。


「前に……噂になったことがありましたよね」

「そういえば、ありましたね」


「映画に行くと返事をした時はその事はすっかり忘れていて、でも、誰かが見ていたらまた田辺さんに迷惑をかけてしまうし。つい気になって周りが気になってしまったんです」


「僕は構いませんよ。むしろ噂になってほしいくらいです」


「えっ?」


今、田辺さんは何て言った?


むしろ噂になってほしい……って何でそんな事を?
田辺さんにどういう意味で言ったか聞こうとした時。

「お待たせしました」


頼んだ物を店員さんが運んできた。


「ごゆっくり、どうぞ」そう言って店員さんは行ってしまった。




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