君を想う
「……高1の時に助けてくれたのは藤崎さんだったんですか?」
「あれから、ずっと後悔していた。藍川があの子だって分かって傷付けた事を謝ろうと思ったけど……なかなか言い出せなかったんだ。本当にごめん」
「……もっと、早く言ってほしかった。ずっと会いたかったんです。
あなたが頑張れって言ってくれたから頑張れたんです。
あなたのおかげでなりたかった受付嬢になれました。
やっと……お礼が言えました」
「藍川、あのときの事を許してほしい」
「私は、別に怒ってないです。あのときは私が余計な事をしたから……私はズルいんです……」
私は助けて貰ったあの時から藤崎さんに憧れていた。
あの雨の日に偶然、藤崎さんと彼女さんの言い争いを見かけて……もしかしたら藤崎さんと彼女さんの間に入り込めるんじゃないかって思ってしまった……。
「私が勘違いして勝手に近づいてそれで玉砕しただけだから。
藤崎さんは謝る事なんてないんです」
「それでも……」
また、抱きしめられて藤崎さんの腕の中に戻った。
「それでも……やっぱり許してほしい」
「藤崎さん……」
許すという言葉の代わりに……伸び上がって藤崎さんの唇に自分の唇を押しあてた。
彼がビクッと体を強ばらせたのが分かり、気持ちが伝わらなかったのかと……唇を離そうとした、でも――。
次の瞬間、藤崎斗真にもっと深い口づけをされていた。
「藍川、好きだ……」
口づけの合間に彼はそう囁いた。
あの日……助けて貰ったあの時から……ずっと。
この人は私の心の中にいた。
「私も……藤崎さんの事が好きです」
これからもずっとその想いは変わらない。
END


