例えば魔女と恋をして
分かってるから
甘いのにもやもやしちゃうんだ。
月曜日
勤務を終えた私は
いつものように会社の裏口に繋がってる今は使われていない古い検品室で、魔女から普通の女子に衣変えをして
外で車を横付けしてくれている課長の車に乗り込んだ。
「毎日毎日、着替えるのも大変だな?
…久しぶりに本来のお前の顔をみた気がする…」
車の窓を開けて煙草に火をつけた課長に、私は夏希にお土産を買いたいからケーキ屋さんに寄るようにお願いをする。
「この格好だと私、クビきられちゃうんで…」
うんざりしながら、首の前で手を横にスライドさせると
課長は運転しながらくすくす笑う。
「でもよ、お前が魔女になった以来、会社を辞めるやつも、お前のファンクラブも、潮が引いたように無くなってたのに
…聞いたぞ?この間、暁が食堂でお前の肩を抱きながら「呪われた」宣言したらしいじゃん?
どうしちゃったの?」
まさか
あの時、社食にいなかった課長の耳にまで話がいってるとは…。