無愛想で糖度高めなカレの愛
ミツコさんはとても気さくで本当に人が良く、強引に連れてこられたわけだけど、嫌な気持ちはまったく湧かない。最初少し気後れしてしまっただけで、すぐに馴染むことができた。

お互いに頼んだコーヒーが運ばれてきて、香ばしい香りに包まれる。そのカップに口をつけ、一息ついたミツコさんが口を開く。


「こうやって、夕浬くんの彼女さんと一回お話してみたかったのよ。私、あの子の親代わりでもあるから、つい出しゃばっちゃって……悪い癖ね」


自嘲気味に笑い、両手で静かにカップを置く彼女。

親代わり、ってどういうことなんだろう。何か事情がありそうだけど、私が家庭のことに踏み込んでもいいのかな……。

尋ねてもいいものか迷っていると、ミツコさんはそれに気付いたのか、笑みを浮かべて説明してくれる。


「あぁ、聞いてなかったかしら? 私の妹、つまり夕浬くんの母親が、旦那さんの仕事の都合で海外に行っててね。だから私が代わりに兄弟の面倒見てたのよ、小さい頃から」

「そうだったんですか……!」


その話は知らなかった。夕浬くんは、聞けば教えてくれるけど、自分からはあまり家族の話はしないから。

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