無愛想で糖度高めなカレの愛
甘い言葉に惑わされて、相手の本心が見えなくなってしまった過去。それがまだ私の足を引っ張っている。

新しい恋をしたいと思っているのに。

河瀬くんはあの人とはまったく違うと、わかっているはずなのに……。

自分が情けなくて、包まれた手を握り返すこともできない。


「明穂さん」


いつの間にか俯いていた私は、力強い声に呼ばれて顔を上げた。

シェリー酒のマスカットの香りがふわりと鼻先をかすめる。

眼鏡越しに長いまつげと、きめ細やかな肌が視界に入った瞬間──

唇に、柔らかな温もりを感じた。


「っ、ん……!!」


ちょっ、と、河瀬くんーー!?


目を閉じるのも、呼吸するのも忘れて硬直していると、ほんの数秒で唇が離れていく。

そして、ゆっくりと開かれた二重の瞳がものすごくセクシーで、心臓が激しく突き動かされた。


「なっ……か……!」


私は口をパクパクさせるだけで、言葉にならない。

久しぶりのキス。……彼とは初めてのキス。

その威力は相当なもので、心臓がはち切れそうなほどバクバクと動いている。


動揺しまくる私を、河瀬くんは熱っぽい瞳で見つめ、そっと頬に手をあてがいながらこう言った。


「甘いの、嫌い?」

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