流れ星スペシャル
「あの……、うち、保留でもいいですか?」
そのとき向かいの席から、うるるんが言った。
「は? うるるん、お前、裏切る気?」
立ちあがっていた男子が、声を荒らげる。
「裏切るって言うほど仲間に入れてもらってへんやん。いっつも自分らだけで盛りあがってるくせに。
それに富樫さんがマジメに働いてたってホンマに思うん? 最近はあの人、ずーっと事務室でサボっとったやん。みんなも陰で文句言うとったやろ?」
そう言うとうるるんは、スーツ姿の男を見た。
「うち、新体制で働いてみてから決めたいんやけど」
「わかりました。保留ですね。えーと、名前は…」
と、手にした資料に目を落とす。
「漆原ユウ」
「ウルシバラさん。だからウルルンさんなんですね」
妙にマジメに男はうなずいた。
それから、ペンで資料にしるしをつけている様子。
うるるん、保留……か。