流れ星スペシャル


「あの……、うち、保留でもいいですか?」


そのとき向かいの席から、うるるんが言った。


「は? うるるん、お前、裏切る気?」


立ちあがっていた男子が、声を荒らげる。




「裏切るって言うほど仲間に入れてもらってへんやん。いっつも自分らだけで盛りあがってるくせに。

それに富樫さんがマジメに働いてたってホンマに思うん? 最近はあの人、ずーっと事務室でサボっとったやん。みんなも陰で文句言うとったやろ?」


そう言うとうるるんは、スーツ姿の男を見た。


「うち、新体制で働いてみてから決めたいんやけど」


「わかりました。保留ですね。えーと、名前は…」


と、手にした資料に目を落とす。


「漆原ユウ」


「ウルシバラさん。だからウルルンさんなんですね」


妙にマジメに男はうなずいた。


それから、ペンで資料にしるしをつけている様子。




うるるん、保留……か。


< 99 / 494 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop