ヴァイス・プレジデント番外編
「すず、ちゃんと寝ないと」
はい、と口では答えながらも、頭をソファの背から離すことができない。
明日から連休に入る今夜、新生活の疲れが一気に出たらしい私は、猛烈な眠気に襲われていた。
まぶたがくっつきそうだ。
ふたりで少し飲んだお酒も手伝って、顔も洗っていないけど、私はもう寝るしかできない状態だった。
ふわっと身体が浮く感覚があって、ああヤマトさんが運んでくれるんだ、と思った瞬間、安心で寝入ってしまったらしく。
服を脱がされる気配に、意識が戻った。
「ヤマトさん…」
「いいよ、寝てて」
無理です、と覆いかぶさる身体を押しやろうとしても、びくともしない。
ふたりぶんの重みにスプリングがたわんで、その柔らかさとシーツの心地よさに、寝かせてくれないと殴るかもと本気で思った。
「ほんとに、眠いんです…」
「俺も、ほんとに、したいんだよね」
肩口にキスを受けながら平然と言い返されて、誰か、と泣きたい気分になった。
こうなったヤマトさんは、何があろうと引かない。
眠りたい一心で、懇願するような思いで見あげると、なんでか満足げに微笑まれる。
「煽るね」
「寝たいんです」
「偶然、俺も」
そういう意味じゃない、と歯噛みしながら、噛まれる腕の内側に身体が震えた。
シャツを脱いだヤマトさんが抱きしめてくれると、なめらかな肌と熱い身体が、安心感と共に眠気をつれてくる。
首に腕を回すと、熱のこもったキスをくれた。