ヴァイス・プレジデント番外編
それを見た和華が、ぷっと笑った。



「延大さんは、久良子がお気に入りね」

「だって、似合いそうじゃない、これ?」

「よく見てらっしゃるわ。暁にブルーを持ってきたりするところも、さすが」



褒められて嬉しいのか、そう? と延大さんが素直に笑う。

めいめい、なんの文句もなく、延大さんのチョイスのとおりに受け取り、改めてお礼を言った。


持っていないくらいに軽く、触れていないくらい柔らかいのに、温かいストール。

ブランドのロゴが控えめに織りこまれていて、使いやすそう。


それにしても、私にこういうピンクとは。

高校の頃からすでに170センチ近かった私は、およそこんな可愛らしい色を身につける習慣がない。

嫌いじゃないんだけれど、もっと他に似合う人がいることはわかっているので、わざわざ手を出す気になれなかったのだ。


けどそのおかげで、服は白や黒のはっきりした色が多く、コートもそんな色。

そのどれにだって、このストールは合わせられる。


箱から出して、シルクのなめらかな輝きを眺めていたら、視線を感じた。

目が合うと、延大さんが首をかしげながら尋ねてくる。



「気に入った?」

「ええ、愛用になりそうです」



彼は満足げに、にこっと笑うと、社長との打ち合わせのため、和華に声をかけてから秘書室を出ていった。





「はい、こっちは久良子ちゃんだけに」



まあ、と思わず声が出た。

お土産をくれた後、打ち合わせを終えたらしい時刻に、延大さんからチャットで連絡が来て、夕食に誘われた。

和式の座卓につくなり渡されたのは、誰もが知っている、緑に近いブルーのブランドカラーの小箱。

中には、プラチナの繊細なブレスレットが収まっていた。

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