許嫁な二人

 いつものように、掲示係の作業にいくために階段をおりたところで
 透は、ポケットに手をつっこんで階段をのぼってくる悠とであった



   「よう、久しぶり。」



 悠が笑いながら、近づいてくる。



   「最近、、店にこないからな、まだ係の仕事忙しい?」

   「まあまあだ。」



 そう答えた透に悠はふっと真顔になると、言った。



   「めずらしく透が、行事に一生懸命なのって、唯のせい?」

   「そんなんじゃない。」



 自分がらしくない行動をとっているのは、透も自覚している。

 でも、それが唯のせいだとは、認められなかった。



   「まあ、いいけど、そんなんなら美穂とのことはっきりさせないと
    いけないんじゃないか。」

   「なんで美穂のことが関係あるんだ。」

   「唯に近づくなら。」



 悠がまじめな顔でいう。



   「美穂とはなんでもない、南高のチンピラにからまれていたから
    助けただけだ。」

   「まわりが見えなさすぎだ。」










  

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