許嫁な二人

 悠を見送ってもどってくると良世がきらきらと目を輝かせていた。



   「なになに、唯ちゃん、今のはだーれ?
    けっこう格好よかったけど。」

   「いやね、なんでもないわよ。」

   「これだからぁ、唯ちゃんはそんなにかわいいのに、
    彼氏つくらないの?」

   「そんなの、私はまだまだ、、、。」



 唯の返事を聞いて、良世はあーといいながら、頭を抱えた。



   「いい、唯ちゃん、私達はもう中坊じゃないだよ。
    あれや、これや経験してたっておかしくないんだから。」

   「なによ、あれや、これやって。」

   「だから、キスとか。」

   「えっ、良世ちゃん、そうなの?」

   「えっ、私はぁ、、、。」



 しどろもどろになった良世に唯は声を挙げて笑った。
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