Time Paradox
リリアーナも静かに妖精の後を追い、誰にも見つかる事なく自室に辿り着いた。

クローゼットの扉を閉めてから、リリアーナはふと気になる事を思い出した。

「ジャックは大丈夫かしら?それに、タイムリミットが明日までなんて…私は一体何をどうすれば…。」

リリアーナは小さな声で嘆いた。

「大丈夫よ、方法はあるわ。まずはそうね、何でも良いけど人形はある?それに魔法を掛けてジャック本人とすり替えるのよ。身代わりの人形はジャックにしか見えないし何も話さないけど、看守の目なら誤魔化せるはず。それから今日の夜中のうちにジャックと一緒にこの城を抜け出して森に向かって。」

「脱獄させるなんて…大丈夫かしら?それに最近アドルフの監視がキツくなってきてるし…」

「たしかにあいつは昨日からあなたに変な魔法を掛けて言いなりにさせてるけど、今のあなたならお守りもあるし魔力も増幅されているから何とかなるわ。
でも、その場では掛かったフリをしないと疑われて余計に1人になれなくなってしまうわね。」

「なるほど…とりあえず掛かったフリをして寝てればいいのね。」

「上手くいけば、私はアーノルド家の人達を森の前まで迎えに来させるから、あとは2人でその車に乗り込んで。絶対に明日の結婚式だけは阻止するのよ。」
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