どこにも行かないで、なんて言えないけれど
「風花ちゃん、昔みたいに碓氷お兄ちゃんって呼んでくれてもいいんだよ?」

「呼びません」

「えー?」


にまにまと意地悪に頬を吊り上げる碓氷さんを、じろりと見遣る。


「それとも何、女子高生におにーちゃんって呼んで欲しいのかこの変態め」

「ぐっ」


碓氷さんが撃沈した。


「女子こっ……、違くて! 風花ちゃんに言って欲しいの俺は!」

「は!? ねえさっきから何言ってんの!?」

「え? あ、…うわああ何かどんどん変態じみてるよ俺……! 落ち着け俺ええ!」


間違い、間違いだからねと必死に訂正する碓氷さん。


こんな間違い方をするなんて、疲れてるに違いない。


分かってると吠えるわたし。


ちなみに両親は、なぜか、離れたところでにやにや見ている。
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