どこにも行かないで、なんて言えないけれど
うなる碓氷さんを軽口でさらに沈ませて、ひとしきりふざけて、ぺいっと追い出す。
「じゃあ、後で来るから」
「うん」
碓氷さんが置いていったのはみんなで食べるぶん。
二人で食べる小さい小さいケーキは、後で持ってきてくれるのだ。
「……待ってるから、気をつけて来てね」
「分かってる」
ぐしゃぐしゃと髪を乱される。
女子が髪を整えているときは、男子はそれを乱してはいけないっていう鉄則を知らないのだろうか。
ぐしゃぐしゃじゃなくて、ぽんぽんが望ましいのだ。
「……もう、ばか」
髪直さなきゃ。
見た目不機嫌、内心上機嫌に家に入ると、お母さんがにやにやしていた。
「待ってるからー♪」
「っ、聞いてたの!?」
「そおよー、甘酸っぱいわあ」
楽しい楽しい言いながら、待ってるから、と変な節で嫌がらせのように何度も歌う、お母さん。
鬼畜か。
鬼畜なのか。
「わああ! やめて! 歌わないで!!」
「待ってる、からー♪」
「うーたーわーなーいーでええええ!」
「じゃあ、後で来るから」
「うん」
碓氷さんが置いていったのはみんなで食べるぶん。
二人で食べる小さい小さいケーキは、後で持ってきてくれるのだ。
「……待ってるから、気をつけて来てね」
「分かってる」
ぐしゃぐしゃと髪を乱される。
女子が髪を整えているときは、男子はそれを乱してはいけないっていう鉄則を知らないのだろうか。
ぐしゃぐしゃじゃなくて、ぽんぽんが望ましいのだ。
「……もう、ばか」
髪直さなきゃ。
見た目不機嫌、内心上機嫌に家に入ると、お母さんがにやにやしていた。
「待ってるからー♪」
「っ、聞いてたの!?」
「そおよー、甘酸っぱいわあ」
楽しい楽しい言いながら、待ってるから、と変な節で嫌がらせのように何度も歌う、お母さん。
鬼畜か。
鬼畜なのか。
「わああ! やめて! 歌わないで!!」
「待ってる、からー♪」
「うーたーわーなーいーでええええ!」