思いがけずロマンチック

「吐き出すことが本当にいいと思ってるの?」

九谷君は私を一瞥した後、有田さんへと視線を移した。


「彼女はアイツを潰したい上司に利用されたんだ、アイツの分もすべて責任を取って退職したんだから不満がないわけないだろう」


アイツとは有田さん、有田さんを潰したい上司はもちろん清水部長のことだ。有田さんに社内恋愛の疑いをかけるために、彼女は清水部長に協力したのではなかったのか。


「部長に協力したんじゃないの?」

「違う、彼女の気持ちを利用されたんだ、アイツと一緒にいるところを見つかって規則違反だと追及してね」


彼女は部長の共犯者じゃなかった。彼女は有田さんのことを本当好きだったということか。


だったら、彼女が有田さんに復縁を迫ったのはまだ未練があるということ?


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