ルルー工房の月曜の午後



あまりにもあっさりとエドガーが頷くものだから、ベルはつい、

「でも、親の紹介もありませんよ? 徒弟金も……」

と、いらぬ確認を取ってしまう。


これにもエドガーは、あっさりと頷いた。


「孤児だろうが、家出人だろうが、どうでもいい。もしもおまえが徒弟になるふりをして金目のものを盗んでいくような真似をしたとしても、俺に見る目がなかっただけの話だ」


それに、と、エドガーは言うと、無表情をほんのすこしゆるめて、気をつけて見なければわからないほど小さく笑った。



「徒弟金は出世払いでいいさ」



こんな夢のようなはなしがあっていいのだろうか。



高鳴る胸をおさえながら、ベルは頬を上気させて、ずい、とエドガーにつめ寄った。



「なら、ぜひともお願いします!」




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