ルルー工房の月曜の午後
ⅲ.
ⅲ.


連れてこられたのはベルシー通りの片隅、小さな工房だった。


ベルとエドガーを迎えたのは、ベルとそう年の変わらないであろう、栗色のふわふわの髪と蜂蜜色の大きな瞳の可愛らしい少年だった。


「親方、どうしたんで? 教会で仕事中じゃないんですか?」


そう言いながら駆け寄ってきた少年は、エドガーの背後に立つベルを見とめ、首を傾げた。


「親方、その子は?」


「ベルトラン。新しく工房に迎えることにした」


エドガーの紹介を受け、ベルは勢いよく頭を下げた。


「ベルトラン・ノヴェールと申します。十七歳です。どうぞよろしくお願いします」


「わっ。丁寧な子だなぁ」


少年は笑って、「同い年だから、そんなに礼儀正しくしなくて大丈夫だよ」と、ベルに右手を差し出した。

タンポポのような暖かい笑みだった。



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