強引なカレの甘い束縛


「和美から、七瀬の子どもの頃のことは聞いてるし、かなり有名な、というよりも超有名大学を出てるのにどうして総合職じゃなく今の仕事にこだわっているのかも理解してる。だけど、いよいよ七瀬にもちょっとした変化が起きるんだ」

「変化?」

「そう。七瀬が居心地いいと思っている場所よりももっと幸せになれる場所に飛び立つんだ」
「……陽太と同じこと言わないで」

「は? 陽太?」

昨日のバーベキューの後、私の家で聞かされたことは、私がこれまで大切に守り続けていたものを覆す内容だった。

「あの部屋から出て、俺の所に降りて来いって言われた。それに、バーベキューの本当の意味を教えてもらった」

徳井君が悪いわけではないのに、拗ねた口調でそう言った。

陽太から聞かされたことに驚いて、昨日の夕食作りをどうしたのかも、洗濯物をいつ取り込んだのかも覚えていない。

けれど、陽太にリクエストされた炊き込みご飯はおいしく炊き上がっていたし、洗濯物も綺麗にたたんであった。



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