強引なカレの甘い束縛
俯く私の肩をポンと叩いた徳井くんが、この場の空気を変えるように口を開いた。
「和美からの伝言。手土産はルイルイのフルーツタルトがいいんだってさ。妊娠中、体重増加を心配して食べなかったんだ」
「え? ああ、和美の大好物だもんね。私も昨日、陽太に買ってもらって……」
「知ってる。陽太から夕べ電話があって、夕食代わりにホールを一気に食べる姿に惚れ直したってさ」
「ほ、惚れ直した……」
「ああ。七瀬に気持ちを伝えた途端、崩れ落ちるみたいに惚気られた。よっぽど今まで我慢していたんじゃないか? 俺はまあ、これまでも七瀬への気持ちは聞いていた、いや、聞かされてたけどさ。あれほどじゃなかった」
からかうようにくすりと笑った徳井君に何も言えず、見つめ返した。
単純に照れて仕方がない。
「たしかに……えっと。かなりのこと、言われたけど。す、好きって……言われたし」
「その『好き』ってひと言を言うのに五年かかってるんだ。陽太のこと、ちゃんと考えろよ。七瀬だって好きなんだろ?」
「う、うん。そうだけど」
徳井くん、私の本音を引き出すのがうますぎる。