強引なカレの甘い束縛
慌てて何度か頭を下げた稲生さんは、それでこの話は終わりとばかりにコピー機に体を向け、コピーを始めた。
その横顔は硬くて、普段見るふわふわとした様子は欠片も見えない。
私と陽太がバーベキューに参加したことを気にしていたけれど、それがどうかしたどだろうか。もしかしたら、稲生さんもバーベキューに参加したかったのかな。
たしかに広い庭でのバーベキューなんて楽しいし、会社での姿しか見たことのない同僚たちのプライベートの顔を見ることもできる。
陽太に突然連れて行かれた私も存分に楽しむことができた楽しい時間だった。
そんな噂を聞きつけて、稲生さんも参加したいと思ったのかもしれないけれど。
あのバーベキューに参加するのは基本的には結婚を予定しているカップルで、その事実を大原部長にお知らせするという重要な目的が根底にある。
陽太と私だって、社内では既に婚約していると認識されているし。
だから、稲生さんが参加したいと思っているのなら、結婚相手を社内でみつけなければ無理かもしれない。