強引なカレの甘い束縛


陽太のスマートフォンの画面には、私がフルーツタルトをホールごと大皿にのせて、切り分けることもなくフォークで食べている姿が写っていた。

満面の笑顔でタルトをついている私は本当に嬉しそうで、その視線はタルト以外何も見ていない。

そういえば、滅多に食べることのない高級タルトを独り占めできることがうれしくて、あっという間に完食してしまった。

苺やブルーベリー、マンゴー、たくさんのフルーツが盛りつけられているこのタルトは人気商品で、あの日も陽太と開店前から並んで手に入れた貴重なもの。

せめて味見だけでも、という陽太の頼みに渋々ひと口だけ分けてあげた。

それすらもったいないと思ったけれど、タルトを買ってくれたのは陽太だから仕方ないかと自分に言い聞かせつつ。

『ラズベリーはあげないから』

それだけは忘れなかった。

「俺も初めて食べたけど、フルーツが贅沢すぎるほどいっぱいでおいしかったな。七瀬が開店前から並んででも欲しがるのも納得」

何度か頷き、陽太は再びスマホの写真に視線を向けると感心したように言葉を続ける。

「全部食べ終わるのに十分もかからなかったよな?」

その言葉に、周囲からは「すげー」という感嘆の声があがり、さらに大きな人だかりができた。

陽太の手元を覗き込む人たちは、私の写真を見ながら好き勝手に感想を言い合っている。









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