強引なカレの甘い束縛
それを見ているうちに、私は次第にイライラしてきた。
タルトをひとりで食べることのどこが悪いんだと、おかしな怒りも湧いてくる。
それもこれも、陽太が勝手に私の写真を撮り、そして勝手に見せびらかしているからだ。
「もう、だめ」
私は陽太の手からスマホを取り上げた。
「陽太、これしばらく預かるから。私の写真を削除して、終業後返す」
「え? 削除ってどうして、可愛く写ってるし俺のお気に入りなんだけど」
「うるさい。肖像権侵害……になるのかどうかわかんないけど、とにかくこれは削除。タルトをホールごと食べられるっていっても、それを自慢する趣味はないから」
「いいだろ? おいしいものを楽しく食べるって幸せなことだしさ」
「だからって、それを人に見せびらかすことないでしょ」
「ようやく俺のものになった七瀬を見せびらかして、どこが悪い」
「……え?」
陽太はさらりとそう言って、にやりと笑った。
椅子の背に体を預け、「文句があるなら言ってみろ」とでもいうような態度。
予想外過ぎて何も言い返せない。
「惚れてる女のこんな可愛い姿を見せびらかして自慢するのは男の願望だ。俺は後悔してないぞ」
誰に言っているのだろう。
自分の言葉にひとりで納得しぎゅっと唇を結んでいる。