強引なカレの甘い束縛


私の困った顔をちらりと見て、陽太はくすくす笑いながら会議へ向かった。

「一体、いつの間にこんな関係になったんだろ。……結婚? そんな話したっけ」

思わず口をついて出た言葉に、さらに照れて体が熱くなった。

部内の面々が会議室に移動したあとのフロアは閑散としていて、会議中の電話当番として残った三人しかいない。

毎月一度開かれる会議は部署内5グループの全員が出席し、各グループの業務の進捗状況の報告と今後のスケジュールなどを伝え合う大切な会議だ。

システム開発を主な業務としているこの部署では、担当する会社によってグループ分けされているけれど、合同で同時に開発した方が効率のいい業務もあり、その話し合いが主な議題となる。

そして、システムの開発の中には莫大な費用と時間がかかるものも多い。

陽太が今携わっている、銀行の合併によるシステムの移行もそのひとつだ。

会社の評判にもかかわる重要な案件であり、グループという枠組みを取り払った中でのプロジェクト。メンバーも五つのグループから数人ずつが選ばれている。

精鋭ばかりが集められたプロジェクトは必ず成功させなければならず、予定通りにすすめられるようスケジュールを細かく分け、もしもスケジュールに狂いが生じた場合には、部署内総出で対応にあたる。




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