強引なカレの甘い束縛
だけど、陽太が簡単に今のポジションを確保したわけではないと、そばで見ていた私は良く知っている。
システムのプログラミングや何やら。
限りなくゼロに近い知識しか持たない中で必死に努力し勉強し、そして悔し涙を流し。歯を食いしばって這い上がって来た道のりを私は知っている。
入社したときに付き合っていた恋人とも会う時間を持てなくなり、あっけなく振られて悲しげに笑った姿も見ている。
当時、大学時代からの付き合いだった彼女も就職したばかりで精神的に不安定で、恋人である陽太に甘えたかった。
一方、陽太は休日も出勤しては仕事を早く覚えようと必死だった。
彼女の不安な気持ちはわかっていただろうけれど、陽太も自分のことに精一杯でどうしようもなかったと。
お酒に酔ったとき、ぽつりとそうつぶやいたことがある。
彼女に別れを告げられたときにも、彼女を引き止めることなく受け入れ、仕事にすべてを捧げていた。