強引なカレの甘い束縛


「春川さんに頼まれて用意したんですけど、あの……」

「ん? 何?」

元山君からファイルを受け取り、開いて見ると。

「は? 『一度食べたらリピート必至、並んででも味わってみたいタルト特集』? 何、これ。えっと、雑誌の切り抜き?」

「はあ。春川さんから萩尾さんのために用意できないかって言われて、このファイルを作ったんです。あ、作ったのは僕の彼女なんですけど」

「陽太が? どうして元山君にっていうか、彼女に頼むの?」

「さあ。僕もよくわからないんです。僕の彼女がスイーツが好きで、ほとんどの人気店には連れて行かれたっていう話をしたときに頼まれたんです」

元山君自身、どうして頼まれたのかわかっていないようで、私にそれを問うような目を向けられても、私もさっぱりわからない。

第一、陽太に頼まれたのなら陽太にこれを渡すべきなんじゃないかと思うんだけど。

私がそれを口にすると。

「部内会議の前に春川さんに持っていたんですけど、萩尾さんに渡しておいてくれって言って会議に行ったんです。萩尾さん、タルトが好きなんですか?」

「あ、うん。好きだけど、元山君の彼女みたいに毎週お店に並んでまで食べたいほどじゃない」

陽太の行動がよくわからなくて、元山君と一緒に首をかしげる。



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