強引なカレの甘い束縛


二年も前から陽太は私のことを、それも配属されてすぐの新入社員にまで言っていたなんて全く気づかなかった。

「もしやと思うけど、そのことって、みんなは知っていたりする?」 

「はあ。春川さん、飲み会で機嫌よく萩尾さんのことを話してますし、通勤のときに会えば、週末に萩尾さんとどこに出かけたとか手料理を食べたとか。隠すことなくのろけてますよ。部署内公認かと思ってたんですけど、大原部長や課長たちから『萩尾さんの気持ちはまだ揺れてるから妙に騒ぎ立てるな』って静観命令が出てるんですよね、気づいてない……ですね?」

探るような声に、どっと疲れを感じた。

突っ伏したままの顔を上げて、ちらりと元山君を見ると、ぴくりと体を震わせた。

「そんなに緊張しなくても、これ以上何も聞かないわよ。聞くなら陽太に直接聞くし。それにしても静観命令って一体何よ。この二年、私は何を見てたんだろう、もう、むかつく」

大原部長すら陽太の気持ちを知っていたと聞いて、恥ずかしさが体中に広がり力が抜けた。

私の気持ちが揺れているなんて、一体何を根拠にそんなことを思うのか。



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