強引なカレの甘い束縛
部内会議の電話当番の間、よっぽどのことがない限り席を立つことができない。
あらかじめコーヒーを用意したけれど、それも一気に飲んでしまいそうだ。
仕方がない。
いつものように単純作業に集中して気持ちを落ち着けよう。
事務職の私には、月ごとの定例の仕事が多い。
というよりそれがほとんどで、緊急の案件で周囲が忙しくしていても、私が影響を受けることはほとんどない。
経理関係や人事関係、決まった業務を決まった時期に処理しながら五年が過ぎ、大きな変化がほとんどない毎日に安心感を覚えている。
今も、「静観命令」なんていう驚きの事実を聞かされて、多少の動揺はあれど手元の資料の数字をパソコンに入力する作業になんの影響もない。
配属されて以来長く続けている仕事は気持ちの揺れに惑わされることなくすすめることができる。
体が覚えているのか、軽快なリズムを響かせながら数字がどんどん入力されていく。
長く同じ仕事を続けることに飽きたりステップアップを考えて別の職種を望む人もいるけれど、変わらず続けられる仕事によって得られる安心感を考えれば、私がそれを望むことはない。