強引なカレの甘い束縛


「お疲れ様。会議はどうだったの? 機嫌悪そうだけど、何かトラブルでも起きた?」

「トラブルどころじゃない。かなり大きなプログラムのミスが発覚して……って愚痴っても仕方がないな。これから修正に取りかからないと、週明けには銀行のシステムに支障が出るんだ。土曜日のうちに復旧させないと間に合わないから、この後すぐに動き出すことになった」

「……それって先月もミスが出て総出で対応していた?」

「ああ。週末に計算させるプログラムにエラーが出るんだよな。先月はその部分を他のプログラムで補って、それからうまくいってたんだけど、またエラー。本格的に見直しかけて調整しなきゃだな」

机の上のファイルを何冊か手に取り、同時にパソコンで必要な資料を開いている。

「システムが止まるなんて論外だからな。他の部署からも助っ人が来てくれるらしいし、ま、意地でも復旧だな」
自分に言い聞かせるようにつぶやいて、陽太は笑ってみせた。

これまで何度も見たことがあるその顔はなかなか格好良くて、仕事の愚痴を言うことのない陽太の強さを知ることができる。

このところ、プロジェクトに召集されて体を休める時間がないというのに、そんなこと大したことではないというように、精力的に仕事をこなしている。




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