強引なカレの甘い束縛


顔色が良くないのが気になるけれど、仕事を休めない事情はよくわかっている。

それならせめて、いつものように差し入れでもしようかと考えていると。

「これだ、先月の資料。エラーの個所を見直して……」

陽太はパソコンの画面一面に羅列されているプログラムに見入り、スクロールさせながらぶつぶつ言っている。

その様子につられて、私も隣で見ていると、ふと目についたものがあった。

「あ、その上」

突然口を開いた私に、陽太は「え?」と視線をあげた。

「もう少し、上の、その左の部分」

プログラムの一部を指差し、気になる部分を知らせると、陽太はその前後をざっと見て私に視線を戻した。

「いつもこの部分にエラーが出るってよく気づいたな。今からこのプログラムの検証をするんだ」

「先月のあのトラブル対応のときに差し入れを持って行ったでしょ? コピーやデータの整理をしながらちょっとね。面白そうだったから、あの後ちょっと勉強したりして」

「勉強?」

「あ、そんな大したことないんだけど、結構真剣にプログラムを睨んでた私を面白がって、山内さんが基本的なことを教えてくれてね……」

「は? 山内さん? 何で山内さんの名前が出てくるんだ?」

私の言葉に、陽太が強く反応した。

鋭い声は機嫌の悪さが露わで、私は思わず後ずさってしまった。


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